絵と猫とぐだぐだ ~髙木元就

雑記ブログです。趣味で絵を描いています。漫画やイラストなども含めて、幅広く絵の好きな人に読んで貰いたいです。

収束の方向 No.66

Toの手紙

 モデルさんでの一件の後、S先生とA先生(女子)からは、時折、挑発の様な批判を受ける。

 この頃によく言われていたのは、僕の考えていることは、何もかもが全て勘違いだということ。

 同級生との件ばかりではなく、日本画教員達が教えていることに対して、疑問に思い質問を持ちかけてきた過去の僕の行為もそうだという。

 余計なことを考えず、何かがおかしいと感じても、必ず間違っているのは僕の考え方であるから、何もせずにまわりに合わせ、黙っていなさいとのこと。

 同級生達も、みんな僕と仲良くしようと話しかけているだけで、僕のことを悪く言ったり考えている者は一人としていない、ということ。

 モデルさんの件も、モデルさんのことを悪く言う生徒は一人も居なかった。

 モデルさんも他の生徒達も、僕の絵を誉めたりすることはない(そんな腕なんかない)こと。

 全てが僕一人の勘違いで、僕の語っている様なことも、一才なかった。

 もし仮に、何か良からぬことが起こっていたとしても、僕が何かをしようと考えること自体を止めた方がいいし、そんなことはしなくていい、ということ。

 僕が、他の生徒の立場を考えての発言をしているけれど、そもそも、この件では誰一人として、悪い影響を受けた生徒は居ない。

 生徒は僕一人を除けば、みんな良い生徒ばかりで、誰かが誰かを遠ざけたり排除する様な動きをする者は一人もいない、ということ。

 こんな内容で、S先生とA先生(女子)からは、何度も繰り返し責められる。

 

 こうして、S先生とA先生(女子)によって責めてくる内容と、Toが僕へ渡してきた手紙に書いてあることに、幾つかの矛盾を見てとれる。

 そのことから、僕はS先生へ、Toからの手紙を見せる。

 この手紙には、Toの主観が強く書かれていて、その文章をそのまま受け取らないで欲しいことを、何度も伝ながら、Toの手紙をS先生に読ませた。

 その後でS先生は「高木の悪いようにはしないから、この手紙を貸してくれ。」と言ってくる。

 他の先生達にも読ませるつもりらしく、僕は最初の内は断った。

 それでも、「悪いようにはしない」とか「生徒全体の為にも、必ず良い状況をつくる」とか「高木の置かれている状況も、必ず改善する」等と言って、僕はToの手紙をS先生へ貸した。

 

 僕は貸してくれと言われて貸したのだが、S先生はそのToの手紙を僕に返すことはしなかった。

 僕はS先生に対して「その手紙の文章を、そのまま受け取らないでください」 と断っていたのだが。

 僕の手を離れたその手紙を、教員達は読んだ上で、そのToの主観の強い手紙の内容を、そのままに受け止めてしまう。

 そして、教員達は意識的にToを気遣い、生徒間で仲良くするようにと促していく。

 

話し合いについて

 S先生の強い意思で、S先生を中心に、僕とS(男子生徒)とTaとToとで、話し合いを行うこととなっていた。

 その話し合いでは、事実問題を全てはっきりさせて、悪いことをしている者には厳しく注意をする筈だった。

 その話し合いはいつまでたっても始まらず、2週間くらいしてから、僕はS先生に対して「いつはじめるのですか」と質問した。

 S先生からの返答では、「話し合いは辞めた」と返してくる。

 理由も、S(男子生徒)とTaとToの3人へ話し合いをする考えを伝えたが、その3人がやりたくないというので諦めたという。

 S先生から僕へ、話合いをするという提案を出してきた時にも、僕は『やりません』と断った。

 しかし、そんな僕に対するS先生は、散々僕を馬鹿にして責め立てた上で、無理矢理に話し合いの合意を迫った。

 それが、S(男子生徒)とTaとToが一度「やりたくない」と言えば、その意志をそのまま通してしまう。

 僕はその話に納得いかず、

「そのS先生の采配は、おかしいじゃないですか」

と責める。

 S先生がそういう判断をする過程には、僕の主張が嘘であることを証明する為、幾つかの準備も進めてきたけれど。

 S(男性生徒)やTaやToだけではなく、生徒全員が僕の暴力的な性格に怯え萎縮している為に、S先生側も仕方なく話合いを諦めたのだという。

 そのS先生の言い分にも、僕は腹をたてながら「おかしいじゃないですか」と反論し、それならば僕とS先生とで話し合いましょうと求める。

 それに対するS先生の言い分としては、「当事者もいない状態で話を進めるのは、公平ではない。」「俺達(教員達)には、生徒を守る責任があるから、高木の都合の為に、誰かを悪者にして追い詰めることは出来ない。」等と返答してくる。

 僕はS先生の返答に怒りながら、こう返す。

「S先生は、僕のせいで話合いを仕方なく諦めたと言ってますけど、全部S先生の都合で辞めただけじゃないですか。

S先生の言っていることは、全部が嘘と屁理屈にしか聞こえないので、第三者を挟んで、僕とS先生との話合いをやりましょう。」

 S先生

「もう色々と面倒くさいから、高木が悪かったことにして、あいつ等(S(男子生徒)とTaとTo)には高木が謝れ。」

「それは出来ません。

どちらも悪いとか、どちらも悪くないとか、この問題はそういうことじゃないんですよ。」

S先生

「そういうことを言っているんじゃないんだ。

高木が少し大人になって、高木が悪かったという名目で謝れ。

誰が悪いとか、そういう話じゃない。」

「だから、それは出来ません。

それが出来たのは、1年生の頃で、入学して半年くらい迄ですよ。

そこからはS先生が中心になって、生徒の人間関係を滅茶苦茶にしていったんじゃないですか。

それで、今もこうやって、もっと滅茶苦茶にしていってるじゃないですか。」

S先生(少し笑いながら)

「なのなぁ、絵を描くのにモラルなんか関係ないんだよ。

芸術の世界というのは、元々が汚いもので、誰かを陥れたり騙したりというのが日常的に行われているものなんだ。

この大学だって例外じゃなくて、俺より上の立場にいる先生達だって、俺なんか比べ物にならない程、酷いことは幾らでも貰っているんだ。

そういう世界で上手くやっていく為には、嘘もつかなきゃいけないし、事実と違うことでも謝って、目上の人に気に入られなくちゃいけないんだ。

それくらい、わかるだろ?」

「わかりませんし、わかりたくもありません。」

S先生

「芸術の世界は、広いようみ見えても狭いもので。

どの組織もどこかしらで、人間関係は必ず繋がっているんだよ。

だから、いまここで俺の言うことを聞かないで嫌われたら、この世界では生きていけなくなるぞ。

高木がこの大学を卒業してから、どんな組織に属していようと、必ず追い詰めて、芸術なんかに関わっていけなくしてやる。

そういうのは嫌だろ?

いま高木があいつ等(S(男子生徒)・Ta・To)に謝らないというのは、そういうことになるって言ってやってるんだよ。」

「正しいことをした結果、そうなるというなら、それはそれで仕方ないじゃないですか。

僕は…」

S先生(怒鳴りながら)

「じゃあもう、誰とも口をきくな!

お前のことは絶対に許さないから、覚悟しろ!」

「はい、わかりました。」

 

 こんな会話で、S先生とのやり取りを終える。

 S先生のこの発言の数々に対して、僕側は、その場の勢いのような感じのものと考えていた。

だから、S先生自身も後で後悔や反省もして、翌日以降には考えを改めているだろう。

 そんな風に、僕は考えていた。

 でも、S先生側はそういう考え方等はしておらず、『全て高木(僕)が悪い』『日本画の生徒で、一人だけ頭のおかしい生徒がいるんだ』『高木は、人の話を全く聞かない』『高木とは関わらない方がいい』等と話しまわっていく。

 その話しまわる対象は、僕が知る範囲では、日本画教員の間だけではなく、僕の学年の生徒達や、他の科の教員達の処にも話はいっていた。

 その件については、また後々にも書いていくことにはなるけれど。

 他の科の教員達にも、話しまわっている事実を僕が知ったということは、もっと広い範囲の人達にも、僕の悪評は拡げられているだろう。

 

 という訳で、このモデルさんの一連の話しは、高木が全て悪く、それ以外は全て被害者としてまとめあげられた。

 S先生と僕との話し合いでも、そういう結論で僕側が納得したこととして、日本画の教員間では勝手に話は進められていく。

 この当時の僕は、そんなことになっているとは知らずにいた。

 大学の入学当初から、僕は『世間知らず』等と何度も馬鹿にされていたけれど、そういうことなのだ。