絵と猫とぐだぐだ ~髙木元就

雑記ブログです。趣味で絵を描いています。漫画やイラストなども含めて、幅広く絵の好きな人に読んで貰いたいです。

労働裁判2 No.143

便利さと違和感

 僕と弁護士さんとの契約では、裁判の全てを弁護士さんへ一任するものになっていた。

 一任すると言っても、僕と弁護士さんとで前以ての打ち合わせをするし、その打ち合わせの内容を基に、弁護士さんは訴訟を進めていく。

その一任の契約をしているので、僕は裁判所へ行くことはなく、訴訟の日でも普通に仕事へ出勤できて、便利ではあった。

 しかし、訴訟~公判へ出席しないというのは、便利である一方で、様子のおかしさに気付くのも遅れる。

 被告である会社側の主張等のひとつひとつは、どうにも愚かに見えるのだが、訴訟での話し合いが進んでいくと、なぜか被告に有利なかたちで話が流れている。

 そのことに気付き、僕は弁護士さんへ「それはおかしいじゃないですか!」と、何度も意見する。

 しかし、普通に思うような理屈では、訴訟の話し合いは進んではいかない。

 そんなことに気付き、こう思っていたのが、訴訟の中盤から終盤にかけてである。

 

店長・管理監督者の件

 被告の主張する~原告である僕が店長になった時期については、パチンコ店からカラオケ店へ移動した時である。

 被告の話では、パチンコ店の給与は22万円であり、カラオケ店の給与は20万円と決まっているそうだ。

 僕の給与は移動によって変更なかった様に見えて、実は給与は下がり、管理監督者としての手当てがプラスされたことで、給与の全体の額は変わらず、給与明細書の表記も変化しなかっただけだという。

 カラオケ店での店長業務は、ホールや厨房などの現場仕事はしなくて良いので、そこを考慮すると22~23万円の給与は、管理監督者として妥当な給与だったと考えている。

 給与の夜間割増も、その22万円のなかに含まれている。

 そうなることも、会社から僕には全て伝えて了承されていた、ということとなっている。

 アルバイト従業員達の証言である『高木店長は、仕事は殆どしていなかった』という話とも一致している。

 何年も経過してから、店長としての手当てが一万円ついた件については、一万円の昇給に合わせて、給与の表記を実態に合わせることにしただけで、それよりも前から高木は店長であり管理監督者であった、という説明だった。

 

 これ等の被告の主張に対して、原告は『法律や過去の訴訟の判例から考えても通らない』という内容で反論した。

 その反論に対して、被告はこう返す。

『そういう解釈もあるだろうが、原告側はそういう考え方をしていない』

 そして、被告側は具体的な内容で反論できない状態にあったり、終盤近くで裁判官が『原告は管理監督者だったとはみていない』という意向を語っていても、『高木は管理監督者であった』という主張を終盤まで繰り返す。

 終盤では、裁判官が原告と被告に対して、『◯◯円で和解してはどうですか?』と語って促してくる。

 僕のこの時の裁判官の促しは、原告と被告との主張の中間をとってくる。

 被告は『高木は管理監督者であったから、残業代の支払いは0円だ!』と語り続けている。

 その被告の語る0円と、原告の請求金額との中間額で、裁判官は最初の和解案を出してくる。

 

 僕の感覚では、これはおかしい。

 理屈で反論できなくなっていても『いいや、高木は管理監督者であったから0円だ!』と言い続けていれば、『0円だ』という主張が維持できてしまう。

 それならば、今までのやり取りは何だったんだ?と思って当然ではないか。

 被告は『裁判官の提示したその額でなら、和解してもよい』と語るが、原告の僕は、そんな話を呑むことはしない。

 

従業員達のアンケート

 被告の提出してきた従業員のアンケートは、ホールアルバイト一人とアルバイト事務員とY本部長の記入したものだった。

 僕にとってはおかしな内容ばかりであり、弁護士さんには、おかしいと思えることを幾つも伝える。

 しかし、僕の主張の殆どは弁護士さんの処で止まり、訴訟のなかで語っては貰えない。

 被告側は終始、何となく思ったという内容での批判ばかりしてくるのだが、そこに根拠とするものはない。

 原告である僕側の弁護士さんは、証拠等の根拠のある内容でしか、主張や反論をして貰えない。

 

 被告の主張のなかからひとつ例をあげると、カラオケ店は従業員が一人いれば、平日の業務は全てこなせるという。

 それは、従業員教育を受けていない新人であっても例外としては考えておらず、どんな人物であっても一人でこなせるようなさぎょうしか業務にないのだという。

 だから、原告は店舗で作業をする場面なんかなく、事実上でも作業はしていなかった。

 そんな原告が、店舗の営業時間内に店内にいて仕事をしたり、閉店後にまで仕事をする必要もない。

 原告には労働実態がないのに、嘘の残業代請求をしている、という主張だ。

 この件に対しても、僕は弁護士さんへ数えきれない程の説明をしていた。

 例えばドリンクや料理等で、僕が従業員教育をして、アルバイト達に覚えなければならないメニューは、50種類くらいある。

 それをアルバイト達が、教育を受けずに把握していけたという話はおかしい、とか。

 普通の飲食店では、厨房で調理する作業者を確保していて、少なくとも2人以上の従業員が必要になる。

 どんなに店が暇な状態にあっても、僕は従業員が3人(僕も含めて)という状態にならなければ休憩に入ることは出来なかった。

 その3人という状態も、会社の幹部達の指示による人件費の削減によって、なかなか作ることは出来なかった。

 僕から何度もそう説明しようと、被告が主張する『カラオケ店は従業員が一人いれば、平日の業務は全てこなせる』という話や『従業員達のアンケート』の証拠としての存在の方が、僕の主張よりもはるかに強い。

 僕の主張には根拠となる証拠がないもので、訴訟のなかでは、弁護士さんは僕の主張や説明をきちんとは語って貰えず、打ち合わせの処で話は止まってしまう。

 

 こういった感じで、他にも細々と多くある問題は、訴訟のなかで反論さえして貰えないままとなる。

 そのことに、僕は弁護士さんへ「おかしいじゃないですか!」と不満を口にしていく。

 

 僕と契約を交わした弁護士さんについて、僕はどうしても悪く受け取れる様に語ってしまうのだけれど。

 元々の部分で、僕は証拠を持たない状態で、弁護士さんへ訴訟の依頼をしている訳である。

 弁護士さん側の都合としても、証拠のない厳しい状況にあったり、訴訟の戦い方として、簡潔にまとめた主張をしていこうとしていたり、そういう事情も色々あるのだと思う。

 

 

カラオケ店の閉店時間 

 従業員達のアンケートに関して。

 僕は弁護士さんへ、多くの矛盾や反論を語ってはいた。

 それでも訴訟のなかでは、弁護士さんはあまり多くの主張をして貰えない。

 数少なく主張して貰えた事柄のひとつに、閉店時間の問題があった。

 カラオケ店の閉店時間は、平日は25時、週末や祝祭日の前日等は27時まで営業していた。

 しかし、従業員達のアンケートでは皆、平日は24時、週末や祝祭日の前日等は26時、と記入されている。

 被告の主張のなかでも、その時間に触れて責めてきている。

『24時に閉店時間を迎えいるのに、(タイムカードの打刻時間を指し)この日等は、25時半に退勤の打刻をしている。

 店終いの作業なんか、5分や10分程度で終わるのに、一時間半以上の時間が空いているなんて、どう考えてもおかしいじゃないですか。』

 タイムカードの打刻時間だけを指して、こう主張されても、その日によっては色んな場面もある訳だけれど。

 それ以前に、閉店時間の処から、既に違えている。

 例えば、平日の閉店時間は25時ではあるが、24時の時点で顧客が一人も居なければ、そこで店終いが出来る。

 25時を過ぎていても、顧客が利用を終えて貰えないことや、精算を終えてもタクシーや迎えを待つ等して、利用を終えても店から出て貰えないこともある。

 従業員が僕しかいない日であれば、顧客が帰った後でしか、幾つも溜まった顧客の部屋清掃を始められない場面もある。

 顧客が帰った後、5分や10分で店終いを完了できるのは、複数の従業員が居る状態で閉店を迎えた時だけである。

 顧客が帰った後の作業には、顧客の利用した部屋の清掃、厨房の閉め作業、レジ閉め作業、本社(社長)への営業報告のメール、といったものが必ずある。

 これを一人での作業で、5分や10分で終わらせられるものだ、というには無理がある。

 しかし、この話も被告は曖昧な話にしてしまう。

 従業員達のアンケートのなかで『高木店長が居なければ店が困る、という場面はなかった』とも書かれている。

 そのことから、閉店時間に原告である高木しかいない(高木が居ないと店が困る)という場面も、実際にはなかったと被告から主張される。

 そのことに対して、僕から弁護士さんへ『そういう日は多かった』『被告は主観でものを言っているだけで、事実を語っていない』等と説明しても、根拠となる証拠がないもので、訴訟の場では強く主張・反論をしては貰えない。

 唯一出せた証拠は、インターネット上で公開されているカラオケ店の情報である。

 食べログ等のサイトで『閉店時間は、平日25時、週末27時』と記載されている。

 それを被告は『その情報は、過去の店長が間違って記載し、その店長が退職したことでパスワードがわからず、修正できずにいるものだ』と説明する。

 その情報を公開した人物や経緯を知っている僕は、その説明は嘘だとわかっているのだが、それを客観的に証明できる証拠がない。

 そういう状況だと、やはり弁護士さんも強く主張や反論をして貰えない。

 そうなると、被告のメチャクチャな理屈は通ってしまう。

 

 被告の言葉上は『残業代の支払いは0円だ!』と語っていても、狙いは少しでも支払い額を少なくする処にある。

 屁理屈と、事実や法的根拠のある話は一切受け入れないというやり方は、傍目には愚かに見えても、しっかりと効果を持たらしてした

 

 原告である僕は、いつまでも『従業員達のアンケートそのものが、被告の誘導によってかかれたものであり、証拠として信頼できるものではない』と言い続けていた。

 その従業員達のアンケート以外に、被告の主張の根拠となるものはないのだ。

 それさえなくなれば、被告には何も残らない。

 インターネット上の情報では、そういった従業員の証言による証拠を、裁判官の指示によって下げさせた例がある、と僕は読んでいた。

 しかし、僕の弁護士さんは、その従業員達のアンケートに対して、強く否定をしてくれていない。

 裁判官の感じからも、その従業員達のアンケートを取り下げさせるような動きはない。

 

 僕としては、この『従業員達のアンケート』を書いた者達を裁判所へ召喚して、真実はどうであるかの尋問をするべきだ、という考えを固めていく。

 被告である会社の幹部から、誘導して書かされたアンケートであったとしても、である。

 きちんと仕事をしてきた僕に対して『ろくに仕事なんかしていなかった』等と、事実と違ったことを述べ、不利益を被らせる虚偽の証言をした訳である。

 虚偽の証言をしたのだから、そのことで真実を追求されたり、面倒な事に巻き込まれることも、当然の責任だと僕は考えていた。

 この考えも、僕は何度か弁護士さんへ語り、対応を求めるのだが、弁護士さんは適当に話をはぐらかしたり、返答を無視したりもする。

 こういったことからも、僕は弁護士さんに対して、不信感を抱き、僕と弁護士さんとの関係は悪くなっていく。

 

 後になって、この問題である証人尋問についての事情を知る。

 この証人尋問を行うとするならば、それは原告と被告との話し合いを終えた後であり、裁判官が判決を下す前に行うことになる。

 それと、これはあくまでも僕の印象的な話であるが、僕の弁護士さんは、原告と被告との話し合い以降に迄は、発展させたくない考えでいる。

 恐らくは面倒で、そこ迄のことはしたくないのだ。

 逆に被告側も、原告と被告との話し合い以降には発展しないことを見越していて、愚かに見られる様な訴訟の戦い方をしている。

 こんな戦い方が通用するのも、原告と被告との話し合いの処までである。