絵と猫とぐだぐだ

雑記ブログです。趣味で絵を描いています。漫画やイラストなども含めて、幅広く絵の好きな人に読んで貰いたいです。

ドルチェノフという名前の猫 6

ドルチェノフと接していると、よく思うのです。

 人と仲良しになった子は、野良で生きていくには優しくなりすぎて、なわばり争いなどのケンカでは弱くなってしまうのではないかと。

 例外的な子で「東森さん」という名前の猫もいましたが、その話はまたいつか書きますね。

 

 僕の母と兄との会話のなかで「ドルチェノフを1kmくらい先に捨ててきた」という話を聞き、僕は怒っていた時期もありました。

 思えば、僕がドルチェノフを外から拾ってきて可愛がっていましたが、僕の母や兄はあまりよくは思っていなかったのかもしれません。

 それでも一月程して、ドルチェノフはボロボロになりながら僕の元へ帰ってきました。

 おそらくは、他のなわばりの猫に攻撃されながら、必死に帰ってきたのでしょう。

 たまに、1~2週間程帰ってこない場面もありましたが、兄に聞く限りは、それは兄のせいではないそうです。

 そんな話を聞いても、僕はイマイチ信じていませんでした。

 

 それから暫くして、またドルチェノフが数カ月ほど帰ってこない時がきました。

 どうせまたお兄ちゃんが…などと思っていたものの、少し事情が違っていたようです。

 それからある日、ドルチェノフはひょっこりと帰ってきましたが、そこにはドルチェノフと全く同じ模様をした一匹の子猫も一緒でした。

 ドルチェノフは僕にすり寄ってきますが、子猫の方は人が恐く、僕を見かけると逃げていきます。

 僕はドルチェノフの頭を撫でたあと「ほら、あの子が不安がっているから、行ってあげな」と声をかけます。

 僕の言葉が伝わったのか、ドルチェノフは子猫を探しに行きます。

 この時が、ドルチェノフと最後に会った場面で、これ以降、ドルチェノフは僕の元へ帰ってくることはありませんでした。

 この数時間後、妹もドルチェノフと子猫に会ったと語っています。

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 ここからは、僕が勝手に思っているだけの話ですが…

 ドルチェノフに子供ができて、ドルチェノフなりの新しい生活が始まったこと、これからは会いに来れなくなることを、僕と妹に知らせにきたのではないでしょうか。

 僕はこの件を思い出す度、そんなふうに思えてしまうのです。

 普通に考えたら、猫はそんな人間みたいな考方はしない筈です。

 ですから、たまたま帰ってこなくなった時期と子猫のことが重なっただけなのかもしれません。

 そう思いながらも不思議に考えてしまうのは、ドルチェノフはいつも妹を恐がって逃げていた子です。

 そのドルチェノフが、僕がいないときに子猫を連れて、わざわざ妹のいる場所に足を運んでいたのです。

 

 それともうひとつ。

 この話を母にすると「でもあの子はオスだったでしょ?」と驚いていました。

 オスのドルチェノフが子猫を連れて歩いていることに、当時の僕も不思議に思っていました。

 オス猫は子育てに関与することはない、とはいわれています。

 でも、確かにドルチェノフは子猫を連れてきて、人を恐がって逃げた子猫の後を追い、面倒をみていました。

 あれから数十年が経過して、どこかのインターネットページで、オス猫の子育てについて書かれていました。

 人に可愛がられたオス猫のなかで、まれに子猫の面倒をみる子がいるとのことです。

 まさに、ドルチェノフのことだと思います。

 僕がドルチェノフをはじめて見つけたとき、ドルチェノフは既に成猫で、人に馴れている子でした。

 体も、野良猫にしては不思議なほどきれいでした。

 だからきっと、ドルチェノフには僕以外にも飼い主さんはいて、その飼い主さんと僕の家を行来していたのかもしれません。

 そして、その飼い主さんがドルチェノフを育て、いっぱい可愛がってきたのだろうとも考えています。

 

 ドルチェノフが僕の元へ帰ってこなくなってから、あの子はどんな一生を送ったかと考える時があります。

 例えば、今ドルチェノフが仮に生きていたとしたら、30年以上の年月を生きている訳です。

 猫の寿命から考えると現実的ではなくて、今はもう亡くなっていると考えた方が良いでしょう。

 亡くなっているならば、最後は人の誰かに看取ってもらえたのでしょうか。

 あるいは野良として、孤独に息を引き取ったのではないか。

 そんなことを、色々と考えてしまいます。

 

 記憶では4~5年くらい前だと思いますが、僕はそぼろくんという猫と知り合い、そぼろくんは亡くなっていきました。

 接し方や性格の面で、そぼろくんはドルチェノフとダブって考えてしまう子です。

 大人しくて甘えん坊で、人と接することが好きな猫でした。

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 でも、そぼろくんをドルチェノフの性格と重ね、こういう性格の子だろうと考えたことが、そぼろくんの命を縮める結果を作った様にも思えます。

 そぼろくんは、猫白血病や黄疸や口内炎など、幾つもの病気にかかってしまい、その後で出会った僕に甘えてきました。

 そぼろくんの本心は、苦しくて人に助けを求めていたのかもしれず、それを僕が勝手に、ドルチェノフの様な優しい子と解釈していたのかもしれません。

 今にして思えば、せめて1週間早く動物病院に連れていってたなら、そぼろくんはまだ元気に生きていた可能性もあります。

 ですから、野良の猫が必要以上に甘えてくる行為には、そういう要素も隠れている可能性もあることを、ここに書いておきます。

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